独立したい人、2代目零細経営者、SOHO、個人事業主、営業さん、事務員さん、派遣社員さん、学生さん、のためのパソコン活用・独学・支援サイト
   「小規模オフィスでのパソコン活用・独学の超絶基本」  PIVOT×PIVOT LABO


Excel2000で30分で作るバーコードPOSレジのコア部分(定型集計効率化サンプル)ダウンロード

Excelの真の基礎


 

第1項 mdbファイル(JETエンジン)でできることを簡単にまとめた表

早速ですがまず最初に、mdbファイルでできることを表にまとめてみました。

「素人でもなんとかやれる限界がこのあたり・・・」という見方もできる表です。

字の大きさが小さいですが、このページのみでAccessの概要(実質的な主な仕様)がわかるようにという意図で書きましたので、どうかその点はご容赦下さい。

のちほど他の節でもう少し詳しくご説明いたします。

項目

内容

(01)扱えるデータ件数

システムの内容にもよりますので一概には言えませんが、速度的に耐えられるのは、まず、1台のパソコンの中だけで使う場合(=スタンドアロン環境)なら十数万件〜数100万件くらいです。

それとは別に、サーバーにデータを置いて数台でデータを共有するなら5〜50万件くらいです。(これは複数のmdbファイルを同時に扱う場合の総合計件数としての数字です。Pen3低速マシンで。ギガHzマシンならもう少し行けると思います。)※基本的には件数ではなくて1ファイルあたり2GBです。リンクテーブルがある場合はリンクテーブル1個あたり1GBまで。

(02)セキュリティ

一応、ユーザー別の権限設定やファイル丸ごとの暗号化、mdb全体にパスワードをかける(=VBAを使ったとしても外部から接続できなくする)等々ができます。ただし、情報が非常に少ないのでせいぜいmdb全体にパスワードをかける程度までです。セキュリティはほとんど期待ができないと思われているのが現状です。また、Windowsドメインやワークグループにて設定した認証設定をそのまま流用することはできません。ただ、テーブルを丸見させない程度のことはできます。(隠し属性による簡易なものではなくて)

(03)同時アクセス可能数

●書き込み時:「簡易クライアントサーバ形式」つまり、サーバーにデータを置いてそれを共有する場合なら、データ破損の危険が無い程度としては2〜3接続程度と思われます。(クライアント数は30台くらいまで。)  ただ、絶対に1行ずつしか編集しない仕様にすれば、例えばループをかけたり、複数件数の一括置換などを行わないのであれば、10アクセスくらいでもOKかと思われます。●閲覧時:20でも30でもかまいません。

(04)必要な空きメモリ

一度に開くテーブルの容量と数に依存します。小さなシステムなら10MBも使いませんし、大きなシステムなら100MB以上必要な場合もあります。例えば10万件を越えるテーブルを複数同時に扱うなら70〜100MBはみておいたほうが良いと思います。

(05)作れるシステム

(標準機能と

Windows APIのみで。)

●簡易POSレジ(バーコードを利用したポイントカード対応、よりどり販売対応の簡易的なもの)、●顧客管理ソフト、●商品管理ソフト、●仕入・在庫管理/倉庫管理ソフト、●売上(受注)管理ソフト、●従業員管理ソフト、●会計管理ソフト、●物件管理ソフト、●見積管理ソフト、●業務日報ソフト、●査定考課ソフト、●苦情データ管理ソフト、●簡易的な工程管理ソフト(高度なものは難しい)●部品管理ソフト、●発注、受注管理ソフト

●予約受け付けソフト、●アンケート集計ソフト、●薬剤管理ソフト、●銀行引落データ作成ソフト、●料理メニュー組み合わせソフト、●ポイントカード管理ソフト、●中古車管理ソフト、●カルテ記録ソフト(エステ・診療所など)

●社内文書管理ソフト●ソフトウェアの修正・更新記録ソフト●簡易的なTEL応対記録ソフト●簡易的なグループウェア●(2) Webブラウザ内の情報を自動的に収集・整理するようなソフト●閲覧制限付きの簡易Webブラウザ●簡易メール管理ソフト●Webページ生成&FTPアップロードソフト(簡易的なWeb通販ソフト)●オークション落札データ自動取得ソフト●家計簿ソフト、●蔵書管理ソフト(写真付き)、●音楽CDタイトル管理ソフト●●●●    etc.

(06)作れないシステム

(標準機能+ API のみで)

●仕様上の制限を超えるもの(データ件数やセキュリティ、同時アクセス数など)●Webカート●画面が凝ったもの、特殊なもの●カレンダー形式の本格的なグループウェア●ドラッグ&ドロップ処理を多用するシステム●モバイル機器等とのデータの直接の同期    など。

(07)作りにくいシステム

(情報が少ない等の理由で)

●異なるmdbファイル間での参照制約設定が必要なシステム。●イントラネット用Webデータベース全般●レプリケーションが必須なシステム。●ドラッグ&ドロップ処理を少しだけ使うシステム

(08)難易度

データ照会、加工等

Accessの最重要機能である「クエリ」を習得する期間です。

PC初心者の方でも「習えば」、毎日平均1時間で数週間から数ヶ月で習得可能です。  書籍やWebサイトを利用しての独学なら数ヶ月だと思います。

システム構築

ある程度作り変えしやすい(汎用的な部品を組み込んだ)ものを作れるようになるまでの期間。

PC初心者の方で毎日3時間程度「習って」最低2年。独学だと5年以上。

ExcelVBAのパワーユーザーで毎日3時間程度「習って」最低半年。独学だと2年以上。教えるほうはいくらでも教えられますが、覚える方のほうのスピードもありますので。独学だとバグ対策等で時間を食います。

入門書籍どおりの学習で、スポット的な使い方でならPC初心者でも数ヶ月〜半年程度で覚えられ、利用できると重います。

(09)他の高機能データベースソフトへの移行、もしくは連携のしやすさ

簡単ではないですが、個人用データベース製品の中ではもっとも移行しやすく、応用が利くと思います。特にSQL Server への転向時。MySQLなどのインターフェイスとしても。

また、Accessでの構築がある程度わかっていれば、シスアド試験などのデータベース関連の説明が理解しやすくなると思います。

(10)MS Office との連携

他のソフトでは追随できないくらい相性がよいです。

例えばAccessからExcelのイベントプロシージャを直接Callして実行したりできます。

もちろんmdbファイル同士でも。(これが本当に便利なのです。)

(11)SQL erverとの連携

ODBC接続で可能。通常の「リンクテーブル」のように扱えます。また、「パススルークエリ」にてSQL Serveのストアドプロシージャも実行できます。ただしリードオンリーですが。

でもかなりメリットの高い使用方法かもしれません。(当方は専門外)

(12)小規模データベースにおいてAccessが最適な理由。

(a) 同等レベルのデータベース製品でも良いもの・面白いものが色々とあるが、ただし、

@基本的なフォームの作りやすさ・使いやすさ(ビュー切り替えの容易さなど)AExcelや他のAccessファイルとの圧倒的な連携のしやすさ(Office連携=コストダウンの容易さ)、Bクエリ(最重要機能であると同時に、唯一、PC初心者の方でも使える機能)の簡単さ、Cレポート機能が割と充実している(VBAでレイアウトなどを印刷時に変更・自動制御できるため)、この4つの条件を「すべて同時に」満たすのは現在のところAccessのみ。従って(恐らく)Accessが一番コストダウンがしやすい。

(b)情報がWeb、書籍ともに圧倒的に多い。

(13)Accessバージョン間の互換性

互換性の問題を解決する機能も少し付いてはいますが、それらを駆使してもエラーが出ることが多いので、実質的には無いと考える方が無難です。Accessはバージョン間の互換性を一切考えず、OSのバージョンも全マシン統一したほうが良いです。でないと無駄で余計な仕事が増えます。

原則2000以上のバージョン、OSも2000以上を使います。SP適用は必要に応じて。ただし、2000を使う時は必ずVBE6.DLLのバージョンをアップしておくこと。

第2項 ADPファイル形式(SQL Server と密接に連携できる形式)

上表の(01)〜(03)が解決でき、さらに高速に、大量に、高度なセキュリティで、ネットワーク上で使うことができるようになります。ただし、mdbの持つ使いやすさが少しだけ失われます(一時テーブルなど)。本書ではほとんど解説をいたしません。

 
























Accessは確かにいまだに使いづらい面が多少ありますが、しかし、多くの操作は簡単にできるようになっており、初心者レベルの基本操作なら「慣れてしまえば」意外と難しくないのです。

また、かなりのことができる面白いソフトです。

 

初心者なら、「ある程度の部分は上級者や業者に作ってもらい、自分はクエリだけを中心に使う・・・」というかたちの利用でも非常に意味の大きいソフトです。

 

「パソコンは30台ほどがあるけれど、データ入力専用スタッフが2人くらいしかいないし、常時全員が書き込みするわけではない。当面はセキュリティもそれほど要らないし、Excelで散り散りになったデータを一元管理したい。」

というケースならAccess単体で対応できることも少なくはありません。

ただし、厳重なセキュリティ管理が必要なら、規模に関わらず SQL Server + Acccessなどが良いでしょう。



より高度なデータベース製品に移行したい場合に、その基礎(主に「考え方」)の一部の習得が、知らず知らずの間にできることも大きな魅力です。