◆ メンテしやすいパーティション構成・HDDの構成にする(HDDの台数その他)

目次
● メンテしやすいパーティション構成
● どのパーティションにどのHDDをあてがうか?
● 自動バックアップ方針
● ランサムウェア対策として
● 以上のパーティション構成を考慮に入れた上でのHDD構成
● 起動ドライブ(主に1stHDD=disk0)の最低限の容量
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● メンテしやすいパーティション構成

まず、メンテ上、またセキュリティ上、起動ドライブをいつでも即座に入れ替えたり リカバリできる状態が必要なので、最低限以下のようなパーティション構成とします

パソコンの中には、C、D、E、など、最低限3つのパーティションを作ります。
(HDDだけで。光学ドライブなどは含めません。)

Cが起動ドライブ。
Dがデータドライブ。
Eがバックアップ用ドライブ。

外付けバックアップ用としてFドライブも用意します。
(非常時接続でのバックアップ用です。非常時接続なのはランサムウェア対策のためです。)

各クライアントパソコンに外付けのFドライブを設置する予算が無いときは、Dドライブ(あるいはEドライブ)もしくは、Fドライブの役目をファイルサーバに持たせてもよいと思います。各クライアントのFドライブは、ファイルサーバのFドライブで一括代用します。

そのかわり、動画や音声などの重たいデータはファイルサーバへは絶対にコピー禁止です。(メインで使うデータにしてもバックアップデータにしても)
また、画像ファイルもリサイズして容量を必ず小さくします。Excel、Word、などのファイルが肥大化することも避けるようにします。

ファイルサーバのデータをメインで使うような場合は、いったん、クライアントパソコンに目的のファイルを手動でダウンロードして、クライアント上で編集してから、ファイルサーバに書き戻します。
常時接続・同時接続するパソコンの数・ファイルの数・扱う容量、が増えれば増えるほど、ファイルサーバがクラッシュする危険性が増しますので、できるだけファイルサーバには常時接続しないようにします。

余談ですが、、クラッシュを避ける意味でも、データベース用サーバ(Accessのデータ専用mdbファイルやSQLServer、MYSQLなどのサーバ)とファイルサーバは分けます。なのでサーバーの数としては、ファイルサーバ、データベースサーバ、必要に応じて動画や音声用のサーバなど、3つ以上用意したほうが無難です。
ファイルサーバとデータベース用のサーバを一緒にしてしまうと、パソコンのことをよくわからない複数のユーザーがファイルサーバをメチャメチャに使ってしまったりして(音声や動画などの重たいファイル、重たい画像などをメチャメチャに突っ込んでしまったりして、かつ、クライアントにいったんダウンロードすることなく、サーバデータ直で編集したりして)、道連れに大事なデータベースのデータ(たいていは顧客、売上、会計、製品管理、人事、等々のデータ)もすべて吹っ飛んでしまうからです。

  
  
● どのパーティションにどのHDDをあてがうか?

内蔵HDDを追加できるかどうかで、C、D、E、それぞれを「独立したHDDにするかどうか」を決めます。(後述)

Windows10の場合は基本的に、デスクトップ、マイドキュメント、ピクチャ、ビデオ、ミュージック、お気に入り、ダウンロード、の「プロパティ」の「場所」を、Dドライブに変更します。
Eドライブも作り、基本的にはD→Eのバックアップの繰り返しです。

デスクトップやマイドキュメントの「場所」をCドライブのままにするなら、Cがいつ消えてもいいように、C→D→Eとバックアップします。

Windows2000やXPも一応デスクトップやマイドキュメントの場所を変えられますが、設定がもし簡単でなかったらCドライブにデスクトップやマイドキュメントなどを持ち、D→Eにバックアップします。

このとき、Cドライブにデータを持っていたとしても、必ずDドライブとEドライブ両方にバックアップを持ちます。Cドライブがクラッシュしたときに、いちいちCドライブの中身を確認するのが面倒なためです。ことあるごとにDやEに自動バックアップをしておけば、そういう手間が最小限に済みます。
また、Cが消えてもDとEの両方にデータが残るので安心です。

外付けのFドライブにも残っていたらさらに安心です。
HDDは「部分的破損」「物理的全ドライブ消滅」もありますので、バックアップファイルが多いほうがいいです。Dのバックアップが破損したら、DをまっさらにしてEから復元(=リカバリ)することもあるので、DとEにバックアップがあると安心です。外付けのFドライブはランサムウェア対策もあります。ランサムウェアに感染すると、DもEも暗号化されて全滅してしまいますので・・・。常時接続していないFだけが最後の砦となります。

最近使ったファイル(C:\Users\ユーザー名\Recent)のフォルダもバックアップしておくと便利かもしれません。

給与計算市販ソフト(=SQLServerなどのRDBソフトを裏で利用するソフトすべて)メールソフトなど、Cドライブにデータを持つことが初期値のプログラムについても・・・、
各ソフトの機能によって、C→Dへバックアップデータの書き出し→さらにEのバックアップ・・・
といった操作の繰り返しです。
C→D→Eの流れを変えずに行きます。

また、Cドライブにあるソフトがもし、自動バックアップ機能を持たないソフトなら、「UWSC」などでDドライブで自動バックアップをしてみます。ここでも、C→D→Eの流れを変えずに行きます。
(「UWSC」はプログラムが書けなくても、Excelのマクロの記録のように、クリック操作での自動化ができます。)

必要に応じて外付けドライブにもバックアップします。

セキュリティのため、あるいは、体感速度の向上・取り戻しのため、定期的に起動ドライブを入れ替えます。
そのため、Cドライブ入れ替え後しばらくしての一番いい状態のCドライブも、丸ごとバックアップしておきます。

Cドライブをいつでも即座にリカバリできる状態にしておくことは、起動ドライブが死んでしまった時や、死なないまでもWindowsが起動できなくなった時などに、できるだけ短時間に復旧できるようにするためにとても重要です。また、サポートの切れたOSを使うときに、ウィルス対策の意味からも重要です。
なので、できるだけCドライブにデータファイルを置かず、DドライブやEドライブ、外付けドライブにデータファイルを保管します。
  
  

● 自動バックアップ方針

デスクトップの書きかけのフォルダ(もしくはデスクトップすべて)はrobocopyコマンドでミラーリンクバックアップします。(robocopyコマンドはXPでも使えるみたいです。こちら のWebページなどをご参考にしてください。)

完成したファイル(もしくはデスクトップ以外の全部)はXCOPYコマンドで追加バックアップします。(一応、書きかけの分も全部、XcopyでやってしまってもOKです。)

また、Cドライブにあるソフトがもし、自動バックアップ機能を持たないソフトなら、UWSCなどでDドライブで自動バックアップをしてみます。
(UWSCはプログラムが書けなくても、Excelのマクロの記録のように、クリック操作での自動化ができます。)

また、バックアップとしては、容量が大きくなる動画ファイルと音声ファイルだけは、仕事用ファイルと一緒のフォルダに入れないようにします。

そのため、容量の大きなファイルはあらかじめ、ExcelやWord、PDFのファイルとバックアック仕分けることを容易にするために、「動画」「音声」などと専用のフォルダを作ってそこへ保管しておきます。

ファイルサーバに重たいデータを入れるのはご法度なので、重要なファイルだけをバックアップします。
Exce、Word、PDF、その他重要なファイル(1ファイルが1MB前後かそれ以下)だけをメインのファイルサーバにバックアップします。

画像は必要な画像だけを、できるだけリサイズして、100KB以下にしてもらい、「Exce、Word、PDF、その他重要なファイル」と一緒のフォルダにバックアップします。

動画と音声ファイルだけは容量肥大してファイルサーバを破壊してしまう場合があるので、動画と音声ファイルの専用サーバを作って、そこへ保管してもらいます。ただし、重要な動画と音声だけに限定します。
(でないとすぐに容量がいっぱいになってしまうので)。

画像も取り扱い量を増やしたかったら、専用サーバを作ったほうがいいです。

  
  
● ランサムウェア対策として

ランサムウェア対策としてのバックアップの方法としては色んなやり方があると思いますが、とりあえず一番費用のかからない「常時接続しない外付けHDDに定期的にバックアップする」という方法を取ります。

それがここでの事例での「Fドライブ」です。

「常時接続しない外付けHDDに定期的にバックアップする」という方法は、完全ではありませんが、でも実際にランサムウェアに冒されて暗号化までされてしまった大学だか自治体だかが、「常時接続しない外付けHDDに定期的にバックアップする」という方法をとっていたため、身代金を払わずに済んだしデータもほぼもとに戻せて編集できるようになった・・・、という事例もあるようですので、一応まずはこの対策を取っておきます。

そのうえで、必要に応じて仮想テープドライブサービスなどの利用を考えればいいと思います。
(無料のサービスだと1GB くらいしかないのでちょっと小さいです。仮想テープドライブを自前で用意できるんでしょうか・・・?できなければ、ファイルサーバを社内だけ・かつ・バックアップ時だけWevDAVサーバ化して、別ネットワークからポート開放でファイルサーバのデータを吸い上げる、という方法も取れると思います。この時ファイルサーバ側のネットワークからはデータ吸い上げマシンは見えません。ランサムウェアに感染するとすごいスピードでどんどんとファイルが暗号化されるようですので、感染したかしてないかはすぐにわかるみたいです。)

基本的には1日1回、バッチファイルなどで自動バックアップで処理する形でいいと思いますが、重要なファイルだけは、作ったら即、一時的にファイルサーバの外付けHDDに手動でコピーしておくのも良いと思います。

  
  
● 以上のパーティション構成を考慮に入れた上でのHDD構成

(a)内蔵ドライブを追加できるデスクトップ
起動ドライブとDドライブで1台のHDD。
Eドライブにもう1台。(CとDのHDDが死んでも大丈夫なように)
外付けバックアップ用(F)に更にもう一台。
最低限、合計3台。
必要に応じて、また、可能なら、「Dドライブも1台」に増やして計4台を使います。
(デュアルブートの時はDドライブを作ってから2つ目のOSをインストールします。必要ならEやFを作ってからでもOKです。逆に、EやFは FやGなど、OSを増やすたびに変化させてもOKです。)

(b)ノートと内蔵ドライブを追加できないデスクトップ
内蔵ドライブを追加できないので、1台のHDDでC、D、E、をまかないます。
外付けドライブ「F」、必須。非常時接続で。
最低限、合計2台
必要に応じて、また、可能なら、Eも外付けにします。
でも面倒と言えば面倒ですが・・・。
(こちらもデュアルブートの時はDドライブを作ってから2つ目のOSをインストールします。必要ならEやFを作ってからでもOKです。逆に、EやFは FやGなど、OSを増やすたびに変化させてもOKです。)

(c)ファイルサーバ
内蔵ドライブを追加できないパソコンはファイルサーバには絶対に使用しないようにします。
処理は「内蔵ドライブを追加できるデスクトップ」と同じです。
最低限、合計3台

必要に応じて、また、可能なら、台数を増やします。

(d)XPとWindows10のデュアルブートの場合
XPとWin10用にC、D、として1台
データドライブにE、F、として1台
外付けドライブ必須。非常時接続で。
最低限、3台。

必要に応じて、また、可能なら、台数を増やします。
  
  

● 起動ドライブ(主に1stHDD=disk0)の最低限の容量

・Win10、8、8.1、7、Vista
事務用途だけの場合でも、100GBくらいあったほうがいいと思います。
ソフトの数がたくさんあるとか、動画などの容量の大きいデータを扱うなら200GB以上必要かもしれません。

・XP
デュアルブートで使う場合で、使用するソフトが事務的なもので1つか2つなら30GB程度でOKかと思います。
ソフトの数がたくさんあるとか、動画などの容量の大きいデータを扱うなら100GB以上必要かもしれません。

・XPとWin10などとのデュアルブートの場合
前述の容量を合算します。
30+100GB なら余裕をもって300GBくらい
100GB+200GB、なら余裕をもって500GB以上のHDDが良いと思います。
500GBを買うなら、1TBのほうが安いかもしれないのでそうでしたら1TBを買います。
多分速度も速いと思いますし・・・

もちろんデュアルブートでなくても、それで「100GBくらいしか使わない」と分かっていても、1TBがそこそこ安ければそれでまったく問題ありません。

なお、Win10でデュアルブートすると、起動したドライブが「Cドライブ」になります。(7、8もそうかな?未確認です。)
たとえば、本来のDドライブに入れたOSでパソコンを起動すると、DドライブがCとなり、CドライブがDとなってしまいます。
そのような時に、Dドライブを固定したいなら、3つ以上のパーティションをあらかじめ作っておき、3つ目以降のどこかのパーティションを「Dドライブ」とします。
例えば2つのOSでデュアルブートしている時に3つ目のパーティションを「Dドライブ」に決定したとします。
その場合は、Cから立ち上げた場合の2つめのパーティションを「E」や「W」などとし、Dから立ち上げた場合も2つめのパーティションを「E」や「W」などとします。
そうすると、Cから立ち上げてもDから立ち上げても、3つ目のパーティションの「Dドライブ」は「Dドライブ」のままとなります。
さらに別のバックアップドライブを作りたいなら、4つ目のパーティション以降をそうします。

新品、中古、どちらでも良いと思いますが、中古を買った時や誰かから譲りうけたときは必ずdiskpartコマンドで初期化してから、使用します。また、不良セクタが無いかのチェックもしておきます。
  
  

● diskpartコマンドでのHDDの初期化・パーティション作成・フォーマット・強引な中断(中断は本当に強引なので要らないHDDでテストしてからにしてください)
https://euc-access-excel-db.com/tips/ct07_se/ct070610_ready_hdd/diskpart