◆Excelを「単なる紙と電卓の延長」として使う使い方
これは主に大手・中堅のパソコン教室が教えてくれる使い方です。いろんな基礎が詰まっています。
集計することだけをとってみても、検算をしなくてもいいとか、クロス集計をしていろんなことが分かるとか、種々の便利な機能が満載です。
※本当は「単なる」なんてつけなくていいのですが、記事的にインパクトを出すために、ちょっと嫌味なころの自分が使っていた言い回しにしてしまいました。すみません。今はそれは間違いと思っていますが、あえて記事に気づいてもらえるようにするために「単なる」などとつけてしまっています。本当は「紙と電卓」とか、「紙と電卓の延長」と言うだけでいいのです。
お取引先やその他の組織でも、ほとんどがこの使い方でExcelのデータを作成していますので、先方から送られたExcelデータを扱うには、まずは、この使い方を覚えないといけません。
でないと先へ進めません。
また、「意思決定」するうえでは欠かせない使い方です。
ちょっとした簡易的な集計をするのにも本当に役に立ちます。
この使い方は、例えば次のような機能を割と多く使う使い方です。
・クロス集計表の直接作成
・クロス集計表の串刺し集計
・セルの結合
・セルやシート、ブックのリンク
・列の非表示
・行の非表示
・列の幅を究極に狭める
・行の高さを究極に狭める
・１シートに複数の表を載せる
・関数
・ExcelVBAプログラミング
ただ、この使い方は、Excelを「単なる紙と電卓の延長」としてしか使わないので、以降の(a)～(d)のようなことを「安く」「ラクに」「短時間・短期間」に行うことができません。やろうと思えばできますが、本来する必要のないExcelVBAプログラミングや複雑な関数設定、不要な大量のセルリンク等々を発生させてしまいますので、かなりの「データ管理と人件費の無理・無駄・ムラ」を発生させてしまいます。＝安く、ラクにはやれない、ということになります。（※ビジネス用の各種集計の分野に限ります。シュミレーション等は含みません。）
たとえば、
(a)一度入力したデータを縦横無尽にいろんな局面で自動的に再利用する。しかもExcelVBAプログラムや難しい数式・関数、入り組んだセルリンク、等々をほとんど無しで。
(b)大量の毎日の売り上げデータの中から、例えば「期間別・時間別・気温別」とか「顧客の年収や趣味別、家族構成別」、「取引先別」等々で、さらには 100個以上の切り口で、かつ、秒単位・分単位で切換えながら集計をするような作業（＝お宝情報がありそうかを見当をつけるとか、毎月出したい経営の指標になるような表をどう条件づけたらいいかの考案、など。）
(c)VBAプログラムは使うことは使いますが、ただ、無駄なExcelVBAプログラムを激減させて、かつ 安価に、弥生シリーズや奉行シリーズのような市販ビジネスソフト（販売管理・顧客管理等）に近いこと、あるいは、それ以上のことをする。
(d)顧客マスタ（顧客台帳の表）、商品マスタ（商品台帳の表）、売上明細表（日々の売上の蓄積の表）、など、たった3枚の表（Excelシート）から、100以上もの切り口で（そこそこ複雑な条件で）、瞬間切換え集計を縦横無尽に行う。ExcelVBAプログラムや難しい数式・関数、入り組んだセルリンク、等々をほとんど無しで。
上記の(d)は他の項目とダブってしまいますが、いずれにしましても、(a)～(d)のようなことをExcelで、VBAプログラムを大幅に減らした形で行いたいときは、無理に紙と電卓の延長の使い方の範囲内ではやらずに、「Excelを真のコンピュータとして使う使い方」を是非ご活用してみてください。
なお、Excelを紙と電卓として使う使い方は、それ自体に「良さ」や「得手不得手」があるので、それを超えない範囲で活用するほうが生き生きとします。
同様にExcelを真のコンピュータとして使う使い方にも、良さや得手不得手があります。
ただ、折を見て、お取引先には場合によっては紙と電卓の延長でのデータの送り方をやめてもらいましょう。
社内でも同様です。場面場面で紙と電卓の延長でのExcelの使い方をやめて、真のコンピュータとしてのデータの持ち方、処理の仕方を増やしていきましょう。
そうすることで仕事が10倍早く終わる場面が（全部とは言いませんが）確実に増えると思います。
お互いで使う機能をよく知り、適材適所でお互いの不足部分を補いあい、お互いが生き生きするように使う・使い方をコーディネイトする、のが、Excelを効率よく利用するポイントだと思います。
