● ネタバレ注意:映画「羊と鋼の森」がとても良かったです。『目指す音=”×××”・・・』だなんて、僕にはそんな音死んでもつかめません・・・。

さっき、奥さんと一緒に見てきました。

原作は知りません。

感想は、「すごく良かった」です。

主人公の外村くん(山崎賢人くん)が、上司(オーナー?)の板鳥さん(三浦友和)に「板鳥さんはどんな音を目指しているんですか?」みたいに聞いたとき、板鳥さんが答えたセリフがかっこよすぎて・・・

板鳥さんは外村君に「原民喜って作家は知ってる?」みたいに聞いて、次のようなことを言いました。

『原民喜って人が言ってる、明るく静かに澄んで懐かしい文体、少しは甘えているようでありながら、きびしく深いものを湛えている文体、夢のように美しいが現実のようにたしかな文体・・・』

それが僕が目指す音、ってやつかも?・・・みたいな感じのセリフでした。

ううう

カ・・・、カッコよすぎる!!

音色、ということじゃなくて、「プレイ」ということなら、ガッド先生とか、ブライアン・ブレイド先生とかが、ちょうどこんな感じかも・・・。

リチャード・ティー先生のピアノ(プレイ)は、僕の中ではまさに、この感じ!です。

僕もそんな音やプレイを見つけてみたい!

でも絶対無理!

でもまあ、頑張ろうと思います。

上白石姉妹のかわいらしい連弾や、ピアノの一音一音と、そのあいだにある「空間」が美しくて、かつ、癒される映画でした。

風邪をひいていたのですが、音と映像をみていたら、どんどん、体がラクになっていってしまいました。
鼻水と咳が、マジで映画の間だけ、止まってしまいました。

渡辺貞夫さんのライブを見てるような感じ・・・

映画をみてこういう癒された感じになったのは生まれて初めてです。

音楽や絵画好きじゃない人にはもしかしたら退屈な映画になってしまうかもしれませんが、僕の中では、とっても良い映画、でした。

山崎賢人君の演技も、朴訥な感じで押しまくってて、下手すると「演技が下手くそ」にみえるくらいの朴訥さですごくよかったです。お仕事に悩む青年の役がほんとうに上手でした。
責任感のある態度で、挫折、希望、たくさん表現できてて、音楽抜いてそれだけ見てても良かったです。

あと、上白石姉妹のピアノシーンがほんとうによくって、特にお姉さんが弾くときのピアノが良く、体が動いてしかたなかったです。ゆれてゆれて・・・
なんじゃ~??この連弾、かわいいけど、すごい!とか・・・。

あとで奥さんに聞いたら、ピアノ、辻井伸行さんが弾いてらっしゃるときいて、ああ、だからあんなに揺さぶられたのか~!と納得しました。音楽は久石先生も加わってたんですね。二度納得・・・。
どの曲がどなたかはわかりませんけど・・・

それにしても姉妹の体の動かし方(曲への合わせ方)がすごかったなあ・・・と感心してしまいました。
妹さんもすごいですね!

森永悠希くんも地味でしたが演技が光ってました!
セリフなしで、あの雰囲気・・・・間・・・。
ああいう役、すごく上手ですね!

絶対ブルーレイ買います。

景色がほんとうにきれい。

ピアノときれいな景色の映像、音と音の「間」「静寂」で本当に癒されました。

BGMとか、余計な音がすくなかったのもよかったです。

ドラムをたたく鈴木亮平君も素敵でした~!
先輩役がほんと、よく、雰囲気が出てました!
結婚式の時「あいがとさげもす!」って言わないか心配しちゃいました!!(^^)

漫画・アニメの「ピアノの森」とは、タイプは全然違いますが、森、の映像があちらを思い出させてくれます。

他サイトの映画レビュー見たら「良かったけど、長い」という意見が意外と多く、「全然長くないけど?」と思いました。

ちょうどいい長さでしたし、あれ、あれ以上短くしたら、曲も突っ込めーへんし、ストーリー自体が破綻しちゃうし、そもそもストーリーのリズムが速すぎたら「静寂」や一音一音の「間」が生きてこんじゃんね?
あの映画はあれ以上短くしたら、せかせかしすぎて見てるほうのリズムが狂います。

なので、あれでよし。