●Windows10でのFAXモデムでのダイヤルアップ接続の設定方法

銀行振り込みや単純にFAXソフトなどでFAXモデムを使う場合を想定しています。
使えるモデムの種類や購入先・注意点などは→こちらのリンクの記事を見てみてください。
Faxモデムの種類としては、外付けRS232C、外付けUSB、内蔵PCI、内蔵オンボード(特にノートパソコン)などがあります。
  
  
(01)「所在地情報」の作成
「所在地情報」は発信側の情報です。
使用する回線の市外局番やゼロ発信か外線直通かなどを設定します。
以降の(03)のモデム照会テストのときに、この操作が必要になるかもしれないのであらかじめ先にやっておきます。

まずコントロールパネルを開いて「電話とモデム」を開きます。

「所在地情報」というダイアログが出ます。
一般的には「全般」タブだけを見ます。(特殊な内線システムとか契約内容でない限りは、「市外局番の規則」タブや「通話カード」タブの設定はしません。また初回起動時は「市外局番の規則」タブや「通話カード」タブ自体が表示されず、全般タブのそれも一部の内容だけです。)
ではまず、「国名」が「日本」になっていることを確認します。万が一なってなかったら日本に選びなおします。
「市外局番」に、接続する回線の市外局番を入力します。「052」など。
「外線発信番号」があれば入力します。ゼロ発信なら「0」を入れます。外線直通なら何も入れません。
「ダイヤル方法」を選びます。
トーンがプッシュ式回線の場合で、パルスがダイヤル式回線の場合です。
トーンとパルスの確認方法は次の通りです。
回線ケーブルに、一度、なんでもいいので電話機をつなぎます。
もし外線直通ならそのまま受話器をはずして耳にあて、そうではなくて内線電話でゼロ発信なら受話器をはずし「0」を押したのち、耳にあてます。
電話機の番号のボタンを押して「ピポパ」という音がすればプッシュ回線なので「トーン」を選びます。
「ジー」とか「ジーころころ」なんていう音(あきらかにピポパじゃない音)がすればダイヤル回線なので「パルス」を選びます。
会社様の場合、ある電話機(回線)がトーンだったからといって、すべての回線がトーンとは限りませんので、逐一、この確認はします。
(まれにここでのテストがトーンなのにパルスに変えたらうまく外部につながる、なんてこともあります。
 社内の交換機の関係だと思いますが、そのようなこともありますので、とりあえずの設定だと思ってください)

全部入力できたら「OK」します。
「所在地」リストに「所在地情報」という項目が作成されていると思います。
もしこの「所在地情報」という名前を会社の名前やビル名、フロア名などに変えたいときは、「所在地情報」の文言をダブルクリックして「所在地」を会社名やビル名、フロア名などに修正し、OKします。
  
  

(02)モデムが正常認識されているかの確認01(デバイスマネージャ)

ハードウェア的に大丈夫かをチェックします。

デスクトップアイコンの「PC」を右クリックして「プロパティ」を押します。
画面左ペイン(左区画)の「デバイスマネージャ」を押します。
下のほうに「モデム」の項目があり、びっくりマークや×マークが無いことを確認します。
大丈夫だったら正常なのでデバイスマネージャを閉じます。
ダメだったらモデムのドライバソフトを入れなおすか、モデムカード自体を交換するなどして、びっくりマークや×マークが付かない状態にします。
  
  

(03)モデムが正常認識されているかの確認02(モデム照会テスト)

ソフトウェア的にモデムが正常に動きそうかをチェックします。

ここでのチェックはコントロールパネルからとデバイスマネージャからと、いずれかからチェックできます。

デバイスマネージャの場合は、次のようにチェックします。
(02)の続きとして・・・、
「モデム」の項目を見つけたときにそのアイコンをダブルクリックし、
「さらに、出てきたモデムの機器名をダブルクリックします。
「(機器名)のプロパティ」というダイアログが出ますので、「診断」タブの「モデムの照会」ボタンを押します。
「モデムの照会」ボタンの真上のリストに診断結果が列挙されますが、その中で、「ATQ0V1E0 成功」とか、下にスクロールして「ATI2 成功」とか出ていて、エラーが何も出ていないようでしたら大丈夫です。(http://www.megasoft.co.jp/starfax/modem2.html#3からの引用→「コマンド」列から「AT+FCLASS=?」と表示された箇所を探して、「応答」列の値を確認し、そこに"1.0"、"1"のどれかが含まれていればFAX通信を行えるFAXモデムが搭載されています。※"1.0"はスーパーG3通信が行えるFAXモデムです。)

逆に、何かエラーめいたものが列挙の中に含まれていれば、モデムが壊れている可能性があります。
壊れておらず、ドライバの調子が悪いだけの場合もあります。
この段階でもし、モデムカードを別のスロットに差し替えたり、ドライバを入れなおしたりしてもこの診断結果が良くならないようなら、モデムカードを交換したほうが良いかもしれません。
なぜならこの診断テストは「まずはパソコン内部でWindowsからモデムに対して、正常に通信ができるか?」の診断テストであって、外部に通信できているかの診断ではないので、ここでのテスト結果が悪ければ、外部には絶対に通信できません。つまり、外部に電話をかけることができません。
となると、同じモデムカードをずっと使っていてもらちがあかないケースのほうが多いので、モデムカードを取り換えてしまうほうが早い場合が多いです。(USBの外付けモデムなどが便利といえば便利かもしれません。こちらもご参考に→「無料ソフトでFAX送受信99:FAXモデムの種類と入手先と価格(新品、中古等々)、準備等について」)

テスト結果が正常でしたら、引き続き、「発信音を待たずにダイヤルする」という設定にしたいので次項に行きます。

※コントロールパネルの場合は、次のようにチェックします。
まずコントロールパネルを開いて「電話とモデム」を開きます。
出てきたダイアログボックスの「モデム」タブの下側の「プロパティ」ボタンを押します。
さらに出てきた画面の「診断」タブを押して、「モデムの照会」ボタンを押します。
正常かどうかの判断方法は前述のデバイスマネージャの場合と同じです。

  
  

(04)「発信音を待たずにダイヤルする」という状態にする

デバイスマネージャからでもコントロールパネルからでも、前項と同じモデムのプロパティのダイアログ画面の「モデム」タブにて設定します。

前項にひきついで「モデム」タブを表示したら、「ダイヤルの管理」の「発信音を待ってからダイヤルする」チェックを外します。

そのあと「OK」すれば設定完了です。

この設定にする理由は次のとおりです。

まずここで言う「発信音」とは、電話機の受話器を外した時に聞こえる「ツー」という音のことです。

このチェックマークをはずさないとそのツーという発信音を待ってしまい、それが鳴るまでダイヤルを開始をしてくれない場合があるため、「発信音を待たずに ”即” ダイヤルする」という意味で、その状態にする必要があります。

そのために、「発信音を待ってからダイヤルする」チェックを外します。

で、さらにその理由ですが、(詳しいことはよくは分からないのですが)「必ずしも全ての回線でそのツー音が出るわけでもない」ということらしいので、そのためです。
特に社内の内線電話の回線の場合です。社内独自の交換機のからみで?かも??です。

なお、うろ覚えでハズレかもしれませんが、Windows95や98の時代は、この設定か「モデムスピーカを使う」などの設定が、デバイスマネージャ側(orコンパネ側)のダイアログにもダイヤルアップのアイコン側の設定ダイアログにも双方にあるんですけど、でも「独立していた」気がします。つまりデバイスマネージャー側で設定するだけではダメで、むしろ、ダイヤルアップのアイコンの側のほうだけで設定すれば良かったような・・・。つまり、ダイヤルアップアイコンを複数作った場合に、それぞれで設定を変えられるように・・・、という感じになっています。(あるいは、デバイスマネージャ側が「既定値」で、ダイヤルアップアイコン側は「ユーザーカスタム設定」みたいな感じ・・・)

なので98以降でも、もし電話がかからない時は、デバイスマネージャ側とダイヤルアップ側、双方に同じ設定が無いか、その設定箇所を探すといいかもです。
ただ、2000でもXP、Win10でも、僕は「発信音を待ってからダイヤルする」の設定箇所は見つけられなかったのですが・・・(多分勘違いですね。何せ古いことなので・・・。混乱させてすみません!でも双方に同じ設定が無いかをチェックするのは、ダイヤルアップの設定の時は重要になるケースもありますのでご注意ください。)

  
  
(05)FAX回線のケーブルを、パソコンモデムの「LINE」と確実につなぎます。
カチッというまでぐっと差し込みます。
一般的にモデムカードには「LINE」と「Phone」の2つの差し込み口があって、「LINE」が壁からの配線(回線ケーブル)を差し込む口で、「Phone」が(電話機がパソコンとは別にある場合に)、電話機をつなぐ口になります。
ここでは間違って「Phone」に差さっていないかや、差し込み口にほこりやごみが付着していないか、奥までぐっと差さっているかなどを再度確認します。
(意外とゆるんでいることが、本当に多いので)
回線は最初から挿してもいいですが、この段階で挿せばまったく問題ありません。
むしろ、モデムが正常に認識されて動いていることを確認してからこの段階で挿したほうが、不具合が起こった時に「知識不足から起こるしなくてもお無駄な原因切り分け」をせずにすむので良いと思います。回線ケーブルに足をひっかけてパソコンを落としたりしなくても済みますし。
  
  

(06)ダイヤルアップ接続のテスト用アイコンの作成(自分の携帯などに電話がかかるかのテストのためのアイコン作成)

スタートボタンを押します。
「設定」を押します。
「ネットワークとインターネット」を押します。
画面左ペイン(左区画)の「ダイヤルアップ」を押します。
右ペインの「新しい接続を設定する」を押します。
「接続オプションを選択します」の一覧の中から、「職場に接続します」を選んで「次へ」
「どの方法で接続しますか?」で、「直接ダイヤルします」を押します。勝手に次の画面へ行きます。
「電話番号」に自分の携帯や自宅、自分のデスクの電話番号など、すぐにチェックできる電話番号を入れます。
同じく「接続先の名前」には、電話番号の内容がわかる名前を適当につけます。「自分の携帯」とか「テスト携帯01」とかでOKです。(日本語変換モードにしてないのに間違ってEnterキーを押すと次の画面になってしまって戻れないので、そのときはいったんキャンセルして「新しい接続を設定する」からやり直します。)
同じく「今は接続しない。自分が後で接続できるようにセットアップのみを行う」にチェックを入れたうえで、「次へ」を押します。
ここでは自分の携帯などにかけるため、ユーザー名とパスワードは要らないので、何も入力せずに「作成」ボタンを押します。

もとの画面に戻り、ここでつけた「自分の携帯」とか「テスト携帯01」とかの名前のアイコンができていると思います。

※なお、このアイコンはデスクトップの「ネットワーク」アイコンを右クリックして、「プロパティ(ネットワークと共有センター)」の、「アダプタの設定と変更(ネットワーク接続)」にも同じ物ができています。
  
  

(07)テストコール

前項の画面のまま、「自分の携帯」とか「テスト携帯01」とかの名前のアイコンを押します。
「接続」「詳細オプション」「削除」と出ますので、「接続」を押します。

ダイアログボックスが出ますので「ダイヤル」ボタンを押すと電話番号のコールが始まります。

思ったより時間が数秒かかるので、すこし待って、自分の携帯などに電話がかかってきたらテスト成功です。

パソコンに接続した回線で、外部(銀行など)へ電話をかけられます。

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